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調布墜落に思う(2)

離陸直後に浮力がつかなくて失速、というのは、
「魔の五分間」そのものです。

大戦中も、こうした事故は数多くありました。
この調布をはじめとして、陸海軍の各地の飛行場で、
多くの若者が生命を散らしたのです。

出撃時に爆弾、燃料の過荷重で離陸に失敗したり、
エンジンの不調や、プロペラピッチの設定ミスや、
あるいは、離陸直後に襲撃されて、撃墜されたりした機体も多かったでしょう。

さらには天候の不順で、
編隊ごと山に突っ込んだり、
機位を失して海の藻屑になった若者も多くいました。

洋上飛行中のエンジントラブル。
酸素吸入器の故障による失神等等。

現在の航空事情では考えられないほど、
当時の航空機は危険で半端なものでした。

調布の飛行場は、陸軍の防空戦闘機隊。244戦隊

飛行第244戦隊の基地。

B29を阻止して、帝都を守る「近衛戦闘機隊」です。

その強敵B29返り討ちにあい、
あるいは護衛の戦闘機に破れ、
散った若武者の数は多かったでしょう。

敗れて散った彼らは、
しかしある意味で幸福です。
空の一騎打ちに敗れたりとはいえ、一騎駆けの武者。
名誉とともにあります。

しかし、離陸直後にエンジントラブルで失速した者はいかが、零戦不時着

編隊で遭難した部隊の哀れさよ。

厳しい厳しい訓練の果てに、
無為にして殉職する彼らの悲しさよ。

その倒れた者の悲しみを乗り超えて、
陸海軍の実施部隊は、戦いました。

どんな犠牲があろうとも、
国家と民族の危急を救わんがため。

雄図半ばで倒れた彼らの献身を
無駄死にと見るか。
戦局に何らの寄与もせぬ彼らの「死」を、
無意味だと断ずるか。

栄光なき彼らに対しても尊敬と名誉を。
報われることのなき彼らの献身に、感謝と顕彰を。

「雲わきて 流るる果ての青空の その青の上 我が死にどころ」





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