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愛の戦士

平馬康雄曹長は
被弾した愛機を操りながら
不時着できる場所を
探しました

基地からは 
わずか数十キロですが
もう愛機は 持ちません

思わしい河川敷もないので
点在する集落を避けて
田んぼに不時着するしかありません

フラップはかろうじて開き
後は、不時着のコースに
障害物がないのを
祈るのみでした

しかし
どう考えても避けようがない
障害物が
軸線にあります

エンジンさえ生きていれば
いくらでも回避できますが
ここで操作すれば
失速して墜落するのは必至です

落下傘で脱出せずに
不時着を決意したのは
こうした障害物に
被害を与えないため

その障害物とは
町や集落や民家のこと

昭和20年4月7日
関東地区空襲のB29を邀撃
返り討ちにあった
平馬曹長は

ためらうことなく
回避操作
自爆を選びました

昭和20年4月7日
現在の越谷市弥十郎でのことです

防空戦闘機の操縦者として
曹長は
当然のことをしたと 言うのみでしょう

義務感でもあり
使命感でもあり
誇りでもあったでしょう

しかし やはり
そこには愛があると思うのです

平馬曹長に限らず
多くの防空戦闘機乗りが
脱出せずに
民家を避けて自爆しています

愛する祖国と
人々のために

愛のために生命を捨てた
若者たちが
かつて
この国には いたのです
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